Nikon 露出設定裏技

先日撮影中に露出設定に関して質問を頂戴しましたので少し纏めてみたいと思います。
今回は野鳥撮影等の生物写真を撮影する上で如何に露出設定を行うと効率が良いのか試行錯誤した結果をレポートさせて頂きます。
当方が愛用しているNikonのデジタル一眼レフを主に記載してますが、他社機でも同様の事が可能と思います。

まず考え方として二つのケースに分けます。それは露出補正を多用するケースと一般的な撮影のケースです。

Ⅰ 露出補正を多用するケース:
野鳥の飛翔を追いかける場合や逆光での撮影で背景が明るかったり暗かったりと明暗差が大きなケースでは露出補正を多用します。
この場合は露出補正簡易設定機能を多用するのがとても便利です。
露出補正を通常の状態で行う場合は露出補正ボタンを押してメインコマンドダイヤルを操作して補正値を選ぶ事になります。
露出補正簡易設定機能はサブコマンドダイヤルを回すだけで露出補正が可能となる機能です。(つまりワンタッチで補正が可能)

設定方法:

  1. カスタムメニュー “b4” の露出補正簡易設定を “する” に設定します。この時に “する(自動リセット)”が良いと思います。Z6,Z7はb2です。
  2. 次にカスタムメニュー”f4”のコマンドダイヤルの設定でサブとメインの入れ替え設定を選び、露出補正の設定を”する(Aモード)” に変更します。これはAモード(絞り優先露光)時に有効となります。この設定で人差し指で露出補正、親指はAFボタンと区別出来ます。
  3. モードボタンで露出モードをAモード(絞り優先モード)に設定します。
  4. ISOボタンでISO値を適切な値に設定します。この時 ISO-Auto は使用しません。
  5. これらの設定でメインコマンドダイヤルで絞り値をサブコマンドダイヤルで露出補正値を変更出来る事となります。

この機能を使う事で露出補正を簡単に補正出来るので飛翔する鳥を追いながらファインダーから目を離す事無く操作可能かと思います。

Ⅱ 通常の撮影パターン:
一般的な撮影のケースとなります、この場合はデジタルカメラならではのISO値で露出制御する方法がベターです。つまり露出モードMでISO Autoです。
適正な露光はシャッタースピード、絞り値、ISO感度で決まる物です。フィルムカメラや初期のデジタル一眼レフの時代での自動露出は絞り優先、シャッター優先、プログラムオートの3つの自動露光でした。つまりISOはフィルムで決まっていたのでISOを変えると言う発想は無かった訳です。  
しかしながらデジタルカメラではISOを自由に変える事が出来る様になりました。3つの要素(シャッタースピード、絞り値、ISO)が変えられるデジタルカメラならではの使用法がここに生まれた訳です。  
その背景には絞り値シャッタースピードは作画に大きく影響する事が挙げられます。前景から遠景までピントを合わせたいときは絞り込む必要があります、また飛翔する野鳥をぶれなく撮影するにはシャッタースピードを速くする必要があり、流し撮りでは逆に遅くする必要が出て来ます。
つまり多くの被写体では作画に合わせてシャッタースピード絞り値が決まってくると言えます。
そこで登場するのは露出モードをマニュアルにしてISO Autoで自動露出する設定となります。  
メインコマンドダイヤルとサブコマンドダイヤルでシャッタースピード及び絞り値を作画に合わせて即座に変える事が出来ます。

設定方法:

  1. ISOボタンを押しながらサブコマンドダイヤルを回してISO Autoに設定します。
  2. ISO限界値の設定、静止画撮影メニューのISO感度設定を開きます。次に制御上限感度をカメラに応じた値に設定します。
    ISO Auto で設定した限界ISO値を超えるとアンダー露出になります。常にファインダー内に表示されているISO値を確認する癖をつけておく必要があります。
    限界ISO値の設定は機種により変わりますのでご自身で決める必要があります。  
    当方の設定ではD5(12800)、D850(6400)、D500(6400)、Z6(12800)で使用してます。
  3. モードボタンで露出モードをMモード(マニュアルモード)に設定します。
  4. シャッタースピード(メインコマンドダイヤル)、絞り値(サブコマンドダイヤル)を設定します。
    どの値を使用するかはご自身の経験則が有効ですが、野鳥の飛翔は1/2000秒以上、絞りは一段絞るか暗いケースは開放で使用するのが良さそうです。一般的にズームレンズはひと絞り絞るのが鉄則です。
  5. これらの設定で撮影中でも親指でシャッタースピード調整、人差し指で絞り値調整がスムーズに行えます。勿論シャッタースピード、絞り値を変更してもISO Autoで露出は適正露出を保たれます。

露出モードマニュアルでISO Auto機能は作画に合わせた適切な絞り値とシャッタースピードを選択するのが大きな利点かと思われます。

本日はそろそろ大好きなミヤコドリの季節がやって来ました。期待を込めてキャッチアップ画像として一昨年撮影したミヤコドリをUpさせて頂きます。

撮影データ:Nikon D5 AF-S Nikkor 600mm f/4E + TC-14EⅢ 露出Mode: Manual 1/2000秒 F8.0 ISO: Auto WB: 晴天 RAW

写真1 ミヤコドリ
D5M_3501_blog

写真2 ミヤコドリ
D5M_3951_blog

写真3 ミヤコドリ
D5M_4121_blog

2 個のコメント

    • Taruiさん on 2019年10月2日 at 7:23 PM
    • 返信

    何時もありがとうございま。時間と潮 カメラ位置 全部が揃ってますね。素敵です。

    1. 今晩は、ご連絡有難う御座います。
      お褒めのお言葉有り難いです。
      波間の野鳥良いですね。

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